言い出しかねて
小室哲哉は全盛期、
彼の手がける曲の多くで、
歌い手に「わざと」
危うい音程の高音を
歌わせていた。
特に華原朋美には
その傾向が強かったように
思われる。
ライブ映像で観る(聴く)かぎり、
su-metalも高音が「♭」ぎみに
なることがしばしばある。
意図、する/しない、に関わらず、
「女の子」の振り絞られた声が揺れるのを聴くとき、
聴く側も動揺する(アレサ・フランクリンがシャウトしても、
驚きこそすれ、動揺はしない)。
大人が造った「メタル」と云う枠に
少女達が押し込められる時、
「健気」と「可憐」が
後光のようにその身から放たれ、
私たちは、動揺、する。
歌唱やダンスを
セックスの暗喩だと考えれば、
分かり易い(rock'n'roll)。
babymetalの3人が
今の「ありかた」のままで
グループを続けたとすれば、
私たちが感じた、動揺は、
その時にはもう失われている、
かもしれない。
su-metalの歌唱力は今後も向上するであろう。
高音域の音程の跳躍も
コントロールされるようになるであろう。
そうなればbabymetalは変容せざるを得ないであろう
(もしくは活動停止)。
春は風邪(ふうじゃ)に冒されやすい。
身体は風のように不安定になる。
やがて夏がきて思春期の少女は大人に
成りかける。不安定感は払拭され始める。