きみほほえめば
中元すず香/su-metal、の笑顔は、しばしばぎこちない。
しかしステージに居るsu-metalの、笑み、はナチュラルだ。
笑わなければならない時、彼女の表情筋は上手く(随意に)
動いてくれない。しかし「ぽんこつ」の時の笑いは、
程よい緊張が頬筋を動かし、寛いだ年相応のものに見える。
中元すず香、が何に秀でているか、と云う評価とは別に、
(勤務中の)彼女のココロの平安は、歌う、ことで最も
保証されるのではないか(歌うことで「しか」、と云ってもよい)。
彼女の生育環境がどのようなものであった(/ある)のかは
分からないが、(彼女にとって)とてもハードな局面で、
歌うことが自分と世界を繋ぐ回路になったことは
間違い無いだろう。そうであるから彼女の歌は
我々のココロに刺さるのだろう。
残念ながら「充足」からは私たちを揺さぶる表現は
生まれ得ない。表出されたモノに多幸感が溢れれば溢れる程、
その内には高圧の「哀しみ」が封印されている。